タイ旅行記 ―3日目― タイにやってきた本当の理由

私がタイにやってきた本当の理由。それは、好きな人のためだ。

「牧場物語 3つの里の大切な友だち」のルデゥス。好物はトートマンプラー。

この男が好きすぎて、せっせと魚を釣ってはトートマンプラーを作り、彼にプレゼントした(このゲームは、レシピを集めて世界の料理を作ることも楽しみのひとつだ)。そのおかげで好感度がぐんぐん上がり、最終的に結婚もできた。不愛想に見えるけど優しくて頼りがいがあって、内に秘めた情熱が時折暴走してしまうこの男に、私は夢中だった。

毎日トートマンプラーを作っては、彼にプレゼントする。

でも、トートマンプラーって、何???

調べたら、どうやらタイのさつま揚げらしい。南国風の彼の村では、アジア、アフリカ、南米の食べ物を元にした料理が食べられているようだ。和食・洋食以外をひとつの村の郷土料理として一緒くたにしてしまうのは少々強引な気もするが、ともあれ好きな人の好物を、どうしても一度食べてみたかった。地元には田舎なのでタイ料理屋が存在しない。東京へ行けばあるのだろうけど、どうせなら本場のトートマンプラーが食べてみたい!

…ということで、タイに来たのだった。

ところが、タイでいろんな店で聞いて回ったけれど、なかなか見つけられなかった。最終日、最後の手段でガイドブックに載っていた大きめの店に入ってみる。他の席で宴会している日本人の団体客の声が響いてきて、少し興ざめ…と思っていたら、あった!

「トートマンプラー」!!!

どんな味なんだろう? とずっと思っていたから、念願が叶って嬉しい。早速注文する。まもなくですよ!わくわく(シンハービールを飲みながら)。

……!

1人で食べる量じゃないー!

完全に宴会料理の個数。近くで騒いでいる団体客が少し羨ましくなった。味は、スパイシーなさつま揚げ。いろんな味がぎゅっと詰まっていて、甘いタレが合ってすごくおいしかった! でもさすがに7個も食べられないので、テイクアウトにしてもらった。

店を出て、たくさん歩いたのでタイ古式マッサージで足をもんでもらい、疲れを取ってからホテルへ。

タイで過ごす最後の夜が、こうして終わった。

ガイドも付けない女ひとり旅。周りからは無謀と言われ心配されたけど、全然大丈夫だった。観光地だけあって、ほぼ英語が通じた。もちろんタイ語のみという人もいたけど、真心を持って話せばなんとなく通じる!

トートマンプラーを食べるという目的も無事に果たすことができ、初めての海外は、最高の旅になった。

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