タイ旅行記 ―2日目― アユタヤ遺跡巡りで野犬に襲われ・ウィークエンドマーケット

目覚め良し。ホテルを出て、駅に向かう。

元電話屋の性分で、ついつい電線や端子函に目が行く。このぐちゃぐちゃな張り方、ああ東南アジア。

MRT(地下鉄)でフアランポーン駅に行き、さらに1時間20分ほど国鉄に揺られアユタヤへ向かう。

なかなかの混み具合で、ボックス席の脇にずっと立っていた。

バンコクからアユタヤへ向かうのは、まるで東京駅から東北新幹線に乗って家に帰る時のように、車窓から見る風景が都会から田舎へ風景が変わっていくのが愛おしかった。庶民の生活が見えるくらいに建物に近づくところもあり、退屈しない。

アユタヤ駅。

人の流れにつられて少し歩くと、川に突き当たる。 

レンタル自転車を積み込む人もいたが、この後でも借りられるから大丈夫。

船を降り、店が立ち並ぶ通りを歩くと、店の人たちが日本語で声を掛けてくる。が、振り向いたら日本人であることがばれて良いカモになってしまうかも…。警戒して、振り向かないようにしていた。

レンタル自転車を借りる。

日本から来た自転車のようだ。

アユタヤは広範囲に遺跡が点在しているため、自転車でめぐるのがおすすめ。

遺跡は250年前、ビルマ軍に壊されてどこもかしこもボロボロだ。仏像は頭がない。ひどい。

通りすがりのショベルカー「俺が壊したんじゃないよ!」

有名なワット・マハタートの周りだけ観光客が群がっていた。

そう言う私も、その中の1人である。

とても全部は回り切れない。というか、そんなに違いがあるわけでもないので数か所見れば満足。

そしてここらは野犬の縄張り。たくさんいた。普通に人間用の道路を通っているつもりなのだが、いつの間にか彼らの領域を犯してしまっているのだろうか、吠えられてしまう。大きさは小型犬サイズでも、「狂犬病」の三文字が頭にちらつき恐怖を感じる。タイでは日本と違って狂犬病で亡くなる人がいるから注意すること、と渡航前の注意書きで読んでいた。

自転車を置いたまま小さな遺跡を見ていると、吠え立てられ、慌てて走って逃げた。少しでも近づくと威嚇されるので、自転車を回収することができない。困っていると、近くにいたのだろう地元の少年がやってきて、自転車に手をかけた。慣れているのか、犬も少年には吠えない。

盗まれる!

…と思った次の瞬間、少年はこちらに近づいてきて、無言で私に自転車を引き渡した。少年を疑った自分を恥じた。何かお礼をしたかったが、お金をあげるのも何か違うのではと思い、日本語とタイ語で何度もお礼を言った。

昼食はパイナップル炒めごはんとソムタム(青パパイヤのサラダ)。とてもおいしかった。

このパイナップルの葉の部分には大量の小さな虫が蠢いていたが、「これくらいでひるんでいたらタイでは生きていけない」と自分に言い聞かせ、しっかり完食した。

すごくRPGっぽい。ドラクエ感がある。もちろん宝箱はなく、リスがいた。

次は、象に会いにいく。

まちなかを象が歩いているのは不思議な光景だ。

象は曲に合わせてずっと足踏みしている。たぶん「ダンスを踊っている」ということなんだろう。象がかわいいとかよりも、厳しく躾けられたんだろうなあという憐憫の気持ちが大きかった。

ただ、エサやりと写真撮影(有料)はちゃっかりやってきた。

「トゥクトゥクはぼったくられるから乗らないほうがよい」とガイドブックに書いてあり、実際高かったが、やはりタイに来たら乗りたいじゃないか。それに酷暑の中を自転車で走ったせいでもうクタクタだった。

駅のインフォメーションには、気のいいおじさんたちが集まっていて、英語でしきりにトゥクトゥクを勧めてくる。

一方、運転手は寡黙なおじさんでタイ語しか喋れなかったが、行きたいところはちゃんと伝わり、目的地まで着くことができた。トゥクトゥクは乗り心地が良く、風が気持ち良かった。

ワット・ヤイ・チャン・モンコン。

ドラえもん発見!

バンコクに戻るため、ロットゥー(ミニバンの乗り合いバスみたいなやつ)で中国人の女性グループと相乗りする。中国人女性がドライバーに、手首を指しながら「ティーム?」と何度も言ってるので、TIME? 何時に出発するのか聞きたいのかなーと思って通訳してあげた。納得したようだった。日本ではカタカナのタイムはほぼ日本語同然に使うけれど、中国では言わないのだろうか。その国ならではの間違いやすい発音とかありそうだ。

チャトゥチャック・パークのウィークエンドマーケットへ。

旅先でしか着れない派手なワンピースと、翌日使うためのムエタイパンツを買う。

日が暮れてゆく。風は生ぬるい。

夜市の写真が”映える”と有名なラチャダー市場で夕飯。

ドラえもん発見!(2回目)

タイの流行りなのか、ビニール手袋をはめて台の上に広げたものを手づかみで食べる店がたくさんあった。カニか何かだろうか。

屋台の食べ物はよく分からないものばかり。チャレンジしたい気持ちもあったが、とりあえずしっかり火を通したものを食べたかったので、カオ・ソーイ(カレーラーメン)にした。

皿はけっこう汚れていたが、「これくらいでひるんでいたらタイでは生きていけない」と自分に言い聞かせ、もちろんしっかり完食した。

辛いスープを必死で飲む私に、「Spicy?」といたずらっぽく笑う店員さんたち。

記念撮影に応じてくれた。

そして、バンコクの熱い夜がやってきた。

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