映画「ハーメルン」ロケ地の大イチョウ

西島秀俊さん主演の映画「ハーメルン」。その撮影は、福島県昭和村にある廃校、喰丸小で行われた。

映画「ハーメルン」公式サイト

映画『ハーメルン』予告編+出演者コメント付

ある村の廃校に、その小学校の元校長先生が暮らしていた。校長先生は、もう使われることのないこの校舎を修繕しながら、「消えゆく我が舎」をいとおしむように静かに日々を送っていた。しかし、いよいよその校舎も解体されることが決まる。
ある日、かつてこの小学校で学んだ男・野田が博物館の職員として、校舎に保管されていた遺跡出土品の整理にやって来る。野田には、誰にも明かしたことのない「小さな秘密」があった。

完璧といえるような美しい風景、思い出、人々。長回しの映像に胸が締め付けられ、いくつかのシーンでぼろぼろ泣いてしまった。受け手にとってさまざまな解釈ができる作品だと思う。観終わった後は確実に、コーヒーが飲みたくなる。

異常気象による積雪や東日本大震災で、たびたび撮影がストップしたこの映画。撮影地である昭和村の2011年の十大ニュースを見てみると、1位が「ハーメルン撮影再開」、2位が「東日本大震災」、3位が「東京電力福島第一原発事故」。なんと、震災より上なのだ。人口 1,300人程度のこの村にとって、この映画の撮影がどれほど大きな出来事だったのか分かる。ちなみにパンフレットによると、震災を受けて、西島秀俊さんの役を「耐震調査員」から「福島県博物館職員」に変えたという。

このすばらしい大イチョウ、秋になったら絶対行こうと思ってたんだけど……。

10月12日の時点で、イチョウが全然色づいてなかったよ…! 青々としてたよ!


西島さんと校長先生がコーヒーを飲んだ場所。映画に出てるつもりで撮影。


校舎の中には入れなかったけれど、建物の周りは自由に散策できる。


窓から教室を覗くと、中はこんな感じ。ここで撮影されたと思うと感慨深い。


しかし福島県で映画のロケがあるのはすごくすごくすごく、本当に嬉しいのだけれど、いずれもテーマが「田舎」「過疎」なのには複雑な気持ちだ。でもまあ本当に嬉しいので、東京をはじめ全国、世界の監督さんにはもっともっとここで映画を撮っていただきたい!